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インプラント・再生治療

治療ポリシー

松崎ファミリー歯科矯正歯科では、30数年前よりインプラント(チタン合金等で作製された人工歯根)について、研修・勉強会に参加をしてきました。しかし、5年前まではインプラント治療は1例も導入しておりません。インプラント自体の埋入手術は特殊な状態のケースを除いてあまり難しいものではなく、水平埋伏智歯(親知らず)の抜歯や歯周外科の骨再生療法よりはるかに難易度は低いものです。導入に踏み切らなかった理由は2つあります。

第1の理由は、現在のインプラント製品は、チタン合金を鋳造して作製していた第1世代から数えて第3世代の製品が日本では厚生労働省認可として使用されています。第2世代までの製品では、インテグレーション(骨との結合)に不安定さがあり、予知性の高いものとはとても言えませんでした。第3世代後期[世界では第4世代(厚生労働省未承認)が主流になりつつあります]の製品になってはじめて、患者さんに使用できる確信が持てるようになりました。松崎ファミリー歯科矯正歯科ではアストラテック社 別ウィンドウで開くのインプラントシステムを使用しています。

第2の理由は、インプラント治療の多くは、埋入部位の骨の状態が良いケースばかりでなく、骨の再生療法も併用しなくてはならない場合があり、それに対する良い方法は存在しませんでした。現在、松崎ファミリー歯科矯正歯科では、エムドゲイン(スウェーデンで開発)とGEM21S(2005年アメリカで開発を認可)を用いて再生療法を行っています。歯周組織・骨再生材料、治療法が確立されてはじめてインプラント治療は予知性が高くなり安全な治療選択肢となりえたのです。

孔子の言葉に『己の欲せざるところを人に施すなかれ』とありますが、医療技術導入の基本的な姿勢と考えています。

インプラントの先進国欧米では、歯周病の専門医が手術を行うことがほとんどで、松崎ファミリー歯科矯正歯科でも歯周病の専門医が再生療法とともにインプラントの埋入手術を行っています。インプラントは必要な選択肢の一つですが、万能ではありません。患者さんの全身、治療部位の状態によって、必ずしも利用できるとは限りません。安心安全を考え十分な検討が必要です。

インプラント治療について

今までは、虫歯や歯周病で歯を抜歯した場合、ブリッジや義歯で治療を行っていました。しかしながら、ブリッジの場合、両隣の歯を削らなければならず、結果として歯の寿命を縮める可能性があります。また、義歯の場合は、違和感が大きく、食事が行いにくい場合があります。近年、このような場合にインプラント治療を適応する場合があります。

インプラント治療は、従来の治療法に比較して

  1. 歯を削らずに治療ができる
  2. 骨に直接インプラントを埋め込むため、周りの歯の負担にならない
  3. 噛み合わせが安定する
  4. 自分の歯と同じようにかめる
  5. 見た目が自然で違和感が無い
  6. 取り外しではなく、固定式で治療できる

などの利点があります。

1本の歯が欠けている場合は、インプラントを1本埋め込みます。

2本以上の歯が欠けている場合は、欠損の程度によって、2本以上のインプラントを1本埋め込みます。

インプラントを用いた治療を行うことによって、手前の歯を削ることなく、自然な冠を作ることが出来ています。

インプラント治療は、保険が利きません。また、インプラント治療は、顎の骨の量や硬さによって治療方法が変わってくるので、十分な検査を行った後にインプラント治療が可能かどうかを決める必要があります。

GEM 21Sを用いた歯周組織再生療法

GEM 21Sは、米国で2005年にFDA(アメリカ食品医薬品局)から認可された歯周組織再生薬ですが、日本では厚生労働省の認可はまだ得られていません。米国においては、既存の歯周組織再生薬よりも効果があり安全であるという基礎的研究を踏まえて、多くの歯周組織再生療法に用いられています。GEM 21Sは、精製組換え成長因子であるPDGF(血小板由来成長因子)と合成リン酸カルシウム基質(β-TCP)から成ります。PDGFやβ-TCPは、医科の分野ではすでに治療に用いられており、問題となる副作用等の報告はありません。したがって、GEM 21Sは、精製組換え技術を用いることによって未知の感染症や抗原性の問題を解決し、また、骨を再生する足場となるβ-TCPを用いることによって、より重度な歯周病にも対応することが可能である最新の歯周病治療薬です。

EM 21Sを用いた歯周組織再生療法

実際の臨床例

治療費

GEM 21Sを用いた再生療法は、保険がききません。治療費は、手術を行う歯の本数によって違いますが、GEM 21Sの薬剤の費用は6万円(税別)です。
治療費については、担当歯科医師や衛生士に確認してください。

術後の経過

手術後の抜糸は、約2週間後に行います。手術後1ヶ月間は毎週、3ヶ月目までは2週間に1度来院していただき、手術部の消毒を行います。また、術後1ヶ月間は、術部のブラッシングは行わず、洗口剤による消毒を自宅で行っていただきます。

治療効果の最終的な判断は、6ヶ月から1年程度かかりますが、治療の効果は、患者様によって異なり、必ず理想的な効果が得られるわけではないことをご了承ください。

エムドゲイン療法

エムドゲイン療法とは、エムドゲイン®ゲルを歯周外科手術時に根面に塗布することによって、失われた歯周組織を再生させる術式です。エムドゲイン®ゲルは、エナメルマトリックスデリバティブという歯が生えてくるときに重要な働きをするタンパク質を主成分としています。この物質は、現在の科学水準に基づく高い安全性確保のもと、幼若豚の歯胚から抽出生成したもので、2008年7月時点で、世界44カ国、130万症例以上使用されています。この術式を用いることによって、歯周組織再生が得られることが報告されています。エムドゲイン®ゲルを用いた歯周治療は、歯周組織を再生させる魔法補治療法のように思うかもしれませんが、正しい知識のもと、正しい術式を用いて適応症例に使用しなければ十分な効果を得ることが出来ない難しい術式です。

エムドゲイン®ゲルを用いた歯周組織再生療法

実際の臨床例

治療費

エムドゲイン®ゲルを使った再生療法は、保険がききません。治療費は、エムドゲイン®ゲルを使用する歯の本数によって違いますが、
1~2歯:約4万円
3歯以上:約5万円
程度です。治療費については、担当歯科医師や衛生士に確認してください。

術後の経過

手術後の抜糸は、約2週間後に行います。手術後1ヶ月間は毎週、3ヶ月目までは2週間に1度来院していただき、手術部の消毒を行います。また、術後1ヶ月間は、述部のブラッシングは行わず、洗口剤による消毒を自宅で行っていただきます。レントゲン上で歯周組織の再生が確認出来るのは、6ヶ月程度かかりますが、治療の効果は、患者さんによって異なることをご了承ください。

Q&A

インプラントってどんなものですか?
インプラントとは、金属の一種であるチタンで出来た人工の歯根のことです。歯を失った場所の骨に、インプラントを埋め込むことによって、あたかも自分の歯と同じように見えたり、食べ物をしっかり噛むことが出来るようになります。
インプラント治療の利点・欠点は何ですか?
インプラント治療の利点は、他の歯を削らずに治療が出来る、他の歯に負担をかけずに噛み合わせを回復出来る、自分で取り外しをする必要が無いので自分の歯のように噛める、見た目が自然で違和感が無いなどです。一方、欠点としては、保険が利かないので治療費が高い、外科処置が必要であるなどがあります。
誰でもインプラント治療を受けれますか?
麻酔下での外科処置が可能であればインプラント治療を受けることが出来ます。ただし、全身状態に問題がある場合や、骨の量が少ない場合は、専門施設へ紹介させていただく場合もあります。また、糖尿病などの全身疾患がある場合や、骨粗鬆症の治療薬を服用されている場合は、必ずスタッフに伝えてください。
タバコを吸っていても大丈夫ですか?
タバコを吸っている人は、歯周病が進行しやすいことが知られています。同様に、喫煙は、インプラントに対しても悪影響を与えると言われています。可能であれば禁煙、または数週間前から禁煙することが望ましいと考えられています。また、タバコ以外にも、糖尿病や治療を行っていない歯周病もインプラントに悪影響を与えると言われています。
インプラントの手術は痛くありませんか?
麻酔をしっかり効かせて行うので、術中の痛みはほとんどありません。また、術後の痛みに対しては、痛み止めを服用することで対応します。
インプラントの手術を受けた後に注意することがありますか?
抜歯等の外科処置と同じように、術後に出血や痛み、腫れがある場合があります。また、手術を受けた当日は、食べやすいものを食べる、飲酒を控える、激しい運動をしない、十分休養をとるなどの注意が必要です。また、術後しばらくの間、手術部のブラッシングや義歯の使用を控えていただく場合もあります。
治療期間はどの程度かかりますか?
骨の状態や術式にもよりますが、インプラントが骨とくっつくまで、上顎では4~5ヵ月、下顎では3ヵ月程度必要です。その後、被せを作っていくため、インプラントを骨に埋め込む手術から被せが入るまでに最低でも6ヵ月程度は必要です。
入れ歯が外れやすいのですが、インプラントで改善できますか?
顎の骨がやせてしまい、通常の入れ歯が外れやすい場合でも、インプラントに特殊な装置をつけることによって入れ歯を外れにくくすることが出来ます。また、場合によっては、歯の無い部分をインプラントで補うことができれば、入れ歯を使わなくても良くなる場合もあります。
どのくらい長持ちしますか?
適切なセルフケアと定期的なメインテナンスを行った場合、10年後でも90%以上のインプラントが機能すると報告されています。
治療のあとにも手入れが必要ですか?
インプラントも自分の歯と同じように定期的なメインテナンスが必要です。定期的なメインテナンスを行わないと、歯周病と同じように感染によってインプラントの周囲の骨が吸収することがあります。また、インプラントは骨とくっついていてまったく動かないので、咬み合わせが少しでも悪いと、インプラントに過剰な力がかかって、被せが欠けたり、骨が吸収したりする場合もあります。インプラントを、長く、快適に使用していただくためにも、定期的なメインテナンスを必ず受けるようにしてください。

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