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顎関節症

顎関節症治療ポリシー

最近、顎運動時における顎関節部疼痛ないし咀嚼筋痛、開口障害、顎関節雑音等の症状を主として受診する顎関節症患者が増加しています。顎関節症患者は前述した主訴以外に時として頭痛、めまい、肩こり、耳鳴り、難聴、視力低下、飛蚊症、手足のしびれ、頚・肩・腕の痛み(頚腕症候群)、不眠、疲れやすい、姿勢の歪み、生理不順、自律神経失調症等の全身症状を有し、その臨床像ならびに病態は必ずしも単純ではありません。しかも原因ならびに成立機序については、未だ完全に解明されていないため数多くの治療法が発表され世界中でトライ・アンド・エラーが繰り返され今でも100%完全治癒には至っておりません。松崎ファミリー歯科矯正歯科では1985年以来1200名以上の患者さんに治療を行ってきましたが原因は主に小児期の口呼吸や悪習癖に由来することが多く、外傷、不良な補綴物、等でも発症している場合も多く見られました。発生機序は歯牙、顎関節周囲の局所原因が頭頸部の筋、筋膜の過緊張、虚血状態による神経筋の異常が中枢、末梢神経に影響して発症する場合と口呼吸、外傷、手術等によるによる姿勢、筋、筋膜の不調和による全身的原因があると考えています。

松崎ファミリー歯科矯正歯科で行っている顎関節症の治療は上下顎の位置関係の正常化と病状に至った原因の解明を図る“統合医療”を行っています。上下顎の正常化には、B. Jankelson(米国歯科医師、NASAの技術者と顎運動解析装置を協同開発した)が提唱したNeuromusucular concept神経筋理論[(適正な上下顎の位置を再現するには咬み合せの不調和や情緒的なストレスなどに原因する異常な筋活動や筋肉の随意的収縮を取り除くことを必要とし、Myo-Monitor(低周波による咀嚼筋群の一過性同時収縮を誘発させる装置)を用いて、咀嚼筋群をリラクゼーションさせ、その後開発、進化したComputerized Mandibular Scanner(筋電図を組み込んで筋肉の機能評価をしながら、動的、経時的に下顎の運動機能をみることができる機能分析、治療用装置)を用いて、顎、口腔機能系を総合的にかつ客観的に評価し、臨床と直結した治療法)]に基づいた治療を行っています。詳しくはICCMOをご覧ください

 

しかし、上下顎の正常化には、局所の咬み合せだけでは解決できないことが多く、呼吸法、アレルギー、身体の歪み、ストレス等全身的問題を同時に治す原因解明療法が必要であると日本全身咬合学会で多数報告されています。これらを修正する基準、方法はまだ現代医学では確立されていなくて、アーユルベーダー、中医学を始めとする伝統医学やオステオパシー、ヨーガ、整体法等を取り入れた“統合医療”を行っています。

松崎ファミリー歯科矯正歯科ではNeuromusucular concept神経筋理論と全身的問題を同時に治す原因解明療法に基づいた顎関節症の治療を行っています。

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関連する症状

咬み合わせが良くないと様々な症状が出てきます。下に書いてあるような症状がいくつかあったら咬み合わせに問題がある可能性があります。

セルフチェック項目
  • 頭痛
  • 顎関節痛
  • 顎関節の雑音
  • 開口障害
  • 耳の問題(耳の充血、めまい、耳鳴り)
  • 目の問題(目が痛い、目が疲れやすい、目の充血、目がチカチカする)
  • 首の痛み、肩こり
  • 舌痛症
  • 指先の感覚異常(うずく、きりきり、ちくちく)

姿勢の問題

咬み合わせは姿勢に関係しています。咬み合わせの位置関係というのは自分の足が床に接触しているポイントからスタートしていると言えます。足や背中や首などの位置の変化が咬み合わせに変化を与えます。

顎の周りには様々な筋肉があり頭位のバランスを保っているのです。  	姿勢のチェックポイントを示しています。左右、前後のバランスを細かくチェックしていきます。

不良姿勢のパターン

下図のような姿勢をしていませんか?チェックしてみてください!

ロードシスの姿勢・骨盤の前傾・過度に前彎している腰椎・膝の過度な伸展  スウェイ・バック姿勢・骨盤と股関節が前方にシフトしている
カイホーシスとロードシスの姿勢・頭の位置が前方に出ている・猫背(背中が丸まっている)・骨盤の前傾・膝の伸展   フラット姿勢・頭の位置が前方に出ている・骨盤の後傾・フラットな腰椎

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治療の流れ

治療の流れ

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症例

患者
49才 女性
診断
左側関節円板前方転移
所見
口呼吸による下顎臼歯部低位咬合で、過蓋咬合前歯部接触による下顎後方変位を起し、左側関節円板前方転移となる
治療方針
前方整位型スプリントによる関節円板の整復。オーソシス(スプリントの一種)による下顎の安定。CMSで顎位の確認後、ジルコニア・オールセラミックによる修復をはかる。

症例写真
症例写真
症例写真

顎関節症Q&A

ストレスは関係あるの?
ストレスがあると痛みを感じやすくなります。
あらゆる病気とストレスとのかかわりは切っても切れないといわれますが、顎関節症は特にその傾向が強いようです。ストレスを感じると無意識のうちに歯をかみしめてあごの関節に負担をかけたり、痛みを感じやすくなるといいます。さらに検査をしても症状と結びつくような所見が得られないのに、痛みを訴えることもあるのです。ストレスの度合いによっては心療内科の医師との連携のもとに治療をすることもあります。
顎関節症はどこで治療を受ければいいの?
顎関節を専門的にみている歯科医、医師にかかりましょう。
顎関節症は、症状に応じてさまざまな治療を選択しなければならないため、それらを総合的に理解して治療にあたっている歯科医、医師にみてもらうのがいいでしょう。まちがった診断のもとで治療をしていくと症状がよけいに悪くなったりすることがあります。
歯並びは関係あるの?
関係は考えられますが直接の原因になっていない場合もあります。
歯並びが悪い人でも顎関節症にならない人はたくさんいます。ただし、歯並びが悪い人は、顎関節になる可能性をはらんでいることは言えるかもしれません。顎関節症の原因が歯並びのせいなのか、別の原因なのかを専門家に診断してもらいましょう。最初から”矯正治療ありき”と考えるのは危険です。矯正治療できれいな歯並びを取り戻しても、肝心の顎関節症は改善されていない場合もあります。当院では矯正治療に入る前に顎関節症の治療を行うようにしています。
あごと肩こりや頭痛は関係あるの?
関係することがよくありますがあごのせいだけで発症するとは限りません。
片側咬みや特に硬いものを長時間咬んだりすると起きる場合があります。直接的な関係はありませんが舌や唇の癖が歯並びや咬み合わせを変化させあごの位置の変化をもたらし、肩こりや頭痛を発症させる原因となることもあります。原因と治療法を正しく選択する必要があります。

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