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予防歯科Q&A |
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キシリトールって虫歯予防効果があるのですか? |
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はい。キシリトールはイチゴやプラムなどに多く含まれている糖アルコールの一種で糖質の中でも砂糖と並んで最も甘味が強いものです。工業的には白樺や樫の木などに含まれるキシランという食物繊維を原料として作られています。
ミュータンス菌は糖を食べてネバネバした多糖体と酸を作ります。ところがミュータンス菌は例外的にキシリトールを分解できません。このためまったく酸を産生せず、ネバネバも作らないだけでなく、ミュータンス菌はキシリトールを吸収しているうちにほかの糖を発酵させる能力もなくなって発育しなくなってしまいます。さらに長期間、くりかえしキシリトールを食べているとミュータンス菌でありながら虫歯を作る能力のない性格のミュータンス菌が増えるらしいのです。何ヶ月かキシリトールのガムを噛んでいる人はガムを噛むのをやめても長期間効果が持続するという研究もあります。
このようにいいことばかりのキシリトールですが過信しすぎて肝心の歯磨きがおろそかになってしまう人がいますので注意しましょう。また、キシリトールは消化、吸収されにくいものなので食べ過ぎると下痢を起こす可能性があります。食べ過ぎにも注意してください。 |
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フッ素には毒性があると聞きましたが大丈夫ですか? |
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フッ素は天然に存在するものなので濃度が適正であれば体に害はありません。しかし、食塩(塩化ナトリウム)が体にとても重要な物質でありながら過剰に摂取すると高血圧などの問題を引き起こすようにフッ素イオンもあまり大量に摂取すると有害です。現在歯科医院で使っている濃度や頻度、歯磨き粉に入っている濃度であれば問題はありません。 |
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虫歯予防処置はなぜ3ヵ月毎に処置が必要なのですか? |
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予防処置で使用するフッ素は濃度が高く(約9,000ppm)、市販の歯磨き粉に入っているフッ素濃度(約1,000ppm)の10倍の濃度です。この濃度のフッ素を歯面に塗布するとフッ化カルシウムという物質が歯の表面に生成されます。塗布直後のフッ化カルシウムは唾液に溶けませんが、酸性状態に置かれると少しずつ溶け出し、フッ素イオンを放出していきます。これが歯の脱灰の抑制と再石灰化の促進に働くのです。塗布直後のフッ素濃度は急激に上昇しますが、食事をしたり歯磨きをしたりしているうちにフッ素濃度の高い歯の表面は失われていきます。よって定期的に処置を続ける必要があります。約3ヶ月おきにフッ素を塗布していけばフッ素濃度が持続し、強い歯質が持続するのです。また、ホワイトスポットも定期的な診査が必要です。 |
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虫歯予防処置の後はなぜ30分飲食禁止なのですか? |
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フッ素を塗布したあとは歯質に浸透するまで一定の時間がかかります。すぐに飲食をするとせっかく塗ったフッ素が歯質に取り込まれる前に洗い流されてしまいます。約30分あれば十分に歯に浸透します。
いったん歯質に取り込まれると数日間は歯垢の付きにくい歯面になります。 |
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虫歯予防処置は何歳から何歳まで行えばよいのですか? |
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基本的には歯が生え始めてからすべての歯がなくなるまでが予防処置の適応です。ただ、歯が生え始めてから2〜3年の間が最も虫歯のリスクが高いので1歳頃から永久歯の生え終わる13歳頃までが最適応の年齢と言えます。 |
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